マスク同盟―Maskman is here!―第37回
こんにちは。ふみまるです。
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かつて、父といまはもう閉店し、新しいお店にとってかわられた小綺麗な近所の中華屋さんで、酸辣(さんらー)湯(たん)麺(めん)をたべたことがありました。新商品として推されていたそれは、とろみと辛味、酸味が効いていて、ぼくの舌には新鮮に映ったものです。
そんな酸辣湯麺ですが、そもそも酸辣(さんらー)湯(たん)というスープが中華料理(四川料理、湖南料理)にあるようなのですね。ウィキによると、鶏肉、豆腐、シイタケ、キクラゲ、筍(たけのこ)、長葱、トマトなどの具材をつかったスープを、塩、醤油、生姜汁で調味し、たっぷりの酢と唐辛子(ラー油の場合も)或いは胡椒を加え、片栗粉でとろみをつけ、溶き卵を流し込み、仕あげたものということです。で、日本では茹でた麺を加えて、酸辣湯麺としてたべることもあるとのこと。酸辣湯麺は日本で、本場のスープ酸辣湯から派生したものなんですね。なる程。
さて、上述のように酸辣湯麺をたべた経験をもつ、ぼくですが、いよいよ(本場のものかどうか兎(と)も角(かく))酸辣湯をたべる時がやってきました。それはリュウジさんレシピと出会ったことが契機となります。「豆腐と卵のサンラータン」。キーワードは酒飲みリュウジさんが〆(しめ)に求める罪悪感のない(低糖質)。このメニューも豆腐をつかうところが、その故(ゆえ)なのでしょう。
そして、このメニューは、おなじリュウジさんが考案したということに由来するのだと思いますが、過去の彼のレシピを通底するものがあります。
第27回の「塩親子うどん」では、長葱、溶き卵、創味シャンタン、ラー油をつかい、本レシピで、溶き卵を糸状に入れていくところが、全体のイメージと似ているし、第13回の「豆腐ペペロンチーノ」で豆腐をつかうところや、第33回の「もやし肉そば」で創味シャンタン、ラー油をつかうところが共通していて、そもそも豆腐ともやしは、今回の「豆腐と卵のサンラータン」と低糖質という点で、おなじ意味あいをもつものと思われます。
早速つくっていきます。
絹豆腐一丁をスプーンで掬(すく)い、小鍋に入れる。創味シャンタン小さじ1半、醤油、酒、ごま油各小さじ1、水250ccも入れ、火にかけます。斜め切りにした長葱1/3本も入れ、卵1コを溶いておき、鍋が沸騰したら火を弱め、溶き卵をうえから糸状に入れます。酢大さじ2を入れておいた丼に小鍋でつくったスープを注ぎ(酢は熱を加えると酸味が飛び易いので、丼に沈めてから最後にスープをかけるのが良い)、小葱(今回刻み葱を使用)適量のせ、ラー油適量をかけたら、ハイ、完成!
たべていきます(頂きます)。
豆腐の優しい食感とふわふわの卵、長葱は口中(こうちゅう)に甘味をひろげ、ラー油がぴりりと刺激的なアクセントとなっていて、調味したスープと相まっておいしい。汗を掻きつつ、豆腐を中心に蓮華(れんげ)で啜(すす)っていく。丼の底に沈めた酢も良く効いている。ラー油の辛味や酢の酸味が豆腐の香ばしさとマッチしている印象です。最後に残ったスープまで啜(すす)りきって、ごちそうさま。非常においしかったです。本場の酸辣湯を食してみたい気がしました。
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次回、またなにかつくっていこうと思います。Ciao,Ciao!