マスク同盟-Maskman is here!- 第65回
こんにちはふみまるです。
ぼくらの多くが子ども時代からたべてきた定番料理といったら、なんでしょう。ハンバーグ、カレー、唐揚げ、ナポリタン、、、、、、。思いつくだけでも、これだけ挙げられます。しかし、ちょっと待てよ、いま名前の挙がらなかった王道料理、しかも、僕ら日本に暮らす者にとってジャンルの枠を超えているもの。それは、そう、だれがなんといおうと麻婆豆腐ではないでしょうか。我らが食卓における占有率では、既に中華の分野のみに留まりません。
という訳で今回は麻婆豆腐。コウケンテツさんのYoutubeチャンネルの「王道シリーズ」より「極旨おうち麻婆豆腐」を採りあげます。この料理、リュウジさんのチャンネルで、エバラの方が考えた”黄金の味“(焼肉のたれですね)をつかった「黄金の麻婆豆腐」というのを、リュウジさんがつくっていまして、通常様々な調味料で味つけのたれをつくるところを、”黄金の味“にした訳ですね。リュウジさんは(企業案件ということもあってか)、甘口で子どもさんでもイケる、このレシピを考えたひと、すばらしいな、といっていました。ぼくもつくってたべてみましたが、なる程たれの味わいが良いな、甘口だし、と思いました。
あと、ぼくはもうひとつのコウケンテツさんレシピの「四川風麻婆豆腐」(『保存版 僕が家族に作りたい毎日の家ごはん』新潮社刊所収)をつくったことがありまして、こちらは豆板醤を多めにつかった(花椒(ホワジャオ)も使用)辛い仕あがりになっていまして、高齢の父との晩ご飯にだしてしまい、非常に申し訳なく思ってしまいました(高齢の父には辛いものは避けるべきでした。なんとか食べてくれましたが)。
リュウジさんの(エバラの)「黄金の麻婆豆腐」も今回の「極旨おうち麻婆豆腐」も豆板醤はそんなにつかいません。少し、適量(家庭のご飯としては)という程度です。あと、つかう豆腐ですが、「黄金の麻婆豆腐」、「四川風麻婆豆腐」も絹豆腐です。それらに対し、今回の「極旨おうち麻婆豆腐」は木綿豆腐使用になります。コウケンテツさんは、簡単につくれるのは木綿豆腐だといいます。おなじコウケンテツさんの前掲書所収の「四川風麻婆豆腐」は、花椒を煎るところから始まる、やや本格的なもののようです。おそらくはそれと対照を為すものとしての、今回の「おうち」麻婆豆腐なのでしょう。絹と木綿の対比。使用する豆板醤の量。などなど。
「極旨おうち麻婆豆腐」のポイントとしてあるのは、「え、それ、そう入れちゃうんだ」ということだそうです。そしてもうひとつ、サグラダ・ファミリアを設計した、かのアントニ・ガウディのことば、「自然界に直線は存在しない」をひき、コウケンテツ流に「麻婆豆腐に直線は存在しない」と言い換えてもいます。これらが、何処でどうなってあらわれるのか、請うご期待。
それではつくっていきます。
材料(2人分)、木綿豆腐一丁、豚ひき肉200g、ニラの小口切り4~5本、長葱のみじん切り10cm分、サラダ油大さじ2,ごま油小さじ2、(以下たれ類)豆板醤小さじ1/2~1、すりおろし大蒜(にんにく)、すりおろし生姜各1かけ、オイスターソース小さじ1、酒、味噌各大さじ1、砂糖小さじ1/2、醤油小さじ2~大さじ1,水溶き片栗粉 片栗粉小さじ1:水小さじ2,ラー油適宜。
木綿豆腐をキッチンペーパーでくるみ、電子レンジで600w3分程加熱し、水切りする。長葱をみじん切りにし、ニラも小口切りにする。味噌、砂糖、オイスターソース、酒、すりおろし大蒜、すりおろし生姜、豆板醤を合わせる。フライパンにサラダ油をひき温め、豚ひき肉をほぐしつつ、ポロポロになるまで、且つでた脂が透明になるまで炒める。合わせた調味料を炒め合わせ、肉味噌をつくり、水150mlを加え、2分程煮つめる。
で、ここ、ここで上述のポイント、水切りした木綿豆腐を切らずに丸ごと投入(「え、それ、そう入れちゃうんだ」)し、不規則に、好みの大きさに崩し、断面をふやし(「麻婆豆腐に直線は存在しない」)、2分程煮詰める。ギザギザの断面が味を染み込み易くしてくれます。しかし、これは意表を衝かれました。
煮つめている最中、うちのコンロは火が強いのか、はたまた鍋、フライパン類が火を通し易いのか、水分がほぼなくなりましたので若干の水を足しました。できあがりの味に支障はありませんでしたが、少しずつの火具合や水分等の調整が必要かもしれません。
長葱のみじん切り、ニラの小口切り、醤油、ごま油も加え、混ぜ、崩した豆腐と絡ませる。火を止め、少し温度を下げてから水溶き片栗粉を入れて混ぜ、再加熱し、余計な水分を飛ばす。器に盛りつけ、ラー油をかけたら、ハイ、完成!
実食(頂きます)!
前回と第50回「大葉サンド」のとき添えたサラダ(ドレッシング&ごま付)、味噌汁等を付けて食卓に並べます。サラダは今回にしてやっと、ごまを忘れなかった。
麻婆豆腐の今回の辛さは、豆板醤というより、むしろラー油のものという印象。調整できるので、ラー油は好みでという感じです。あと、ちょっと水分量や、それに伴う味の濃さ/薄さを危惧していたのですが、こちらは豚ひき肉の旨みと相まって問題なくおいしく頂けました。たれは不規則な断面をもつ豆腐に良く絡み、味わい深く、最後のほうに加えた醤油が、これも良い仕事をし、全体を引き締めている風情でした。2人分ながら、空腹にまかせ、すべてたべきってしまい大満足。「空腹は最上のソースである」というフランス(だったかな?)の諺を想起します。嗚呼、美味也。
麻婆豆腐にも、本格的なお店の味のもの、できあいのたれをつかった時短メニュー、そして今回のような、そこそこ家庭でもつくり易く、食べ易いものといった、種々様々なバージョンがあることに気づきました。
中華では比較的つくり易いスターメニュー、麻婆豆腐。また味わいたいものです。
みなさまもつくってみては如何でしょう。
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次回、またなにかつくっていこうと思います。Ciao,Ciao!