「非公式」非公式スキップ通信……非公式「愛車」の巻
初めての愛車はホンダ・コンチェルトでした。このクルマはホンダが英国ローバー社の筆頭株主だった時代に生み出された日英混血の共同開発車でした。
英国ではローバー200、400シリーズとしてリリースされ、日本にも輸入されました。
そのクルマ、ホンダ・コンチェルトについて今回は書かせていただきます。
このクルマが私の愛車となったのは偶然によるものです。ファーストカーということもあり中古車を選択しました。その時の条件というものが、乗り出し価格はもちろんの事ですが、それ以外はニュートラルな選択でした。それは「1.5ℓクラスのマニュアル車で4ドアセダン」というものでした。
本当はミニのクーパーかメイフィヤが欲しかったのですが、当時は維持が難しいという理由でスポンサー(両親)から却下されたのでした。
なので、恐らく以上の条件からカローラかサニーが来るだろうと思っていた私の目の前にコンチェルトが現れた時の驚きと感動は今でも鮮明に覚えています。
初夏の光を反射するガンメタリックのボディ。黒とグレーを基調とした内装にはウッドパネルがあしらわれています。
そして心臓部たるエンジンは1600ccのОHC16バルブ4気筒デュアルキャブレターというもので、最大出力の105馬力を6300回転で発生させるという、落ち着いた大人のサルーンにとんでもない高回転エンジンを秘めたクルマだったのです。
待ちに待った納車の日から、私に「相棒」が出来たのです。その日から私の生活は一変したのです。
とにかく運転しました。用もないのにクルマで出掛けました。地図など必要ありませんでした。それほどまでに私は方向オンチだったのです。
ですが国道を中心に主要道路でしか運転しなかったのでそれほど困りはしませんでした。
あとは河川敷にクルマを乗り入れてありとあらゆる運転を試みました。
ゼロヨンにドリフト、土手の昇り降り、時速100キロ以上からのフルブレーキングに急ハンドル、1速やバックギアでの全速力走行などなど思いつく限りの運転をしました。
中でもダートを100キロ超で駆け抜けた際、いきなりクルマがスピンをし、あわや死亡事故といった経験もありました。その際クルマは奇跡的に無傷でしたが、良い子の皆さんは真似をしないで下さい。
その他にも休日は那須塩原までの日帰りドライブが恒例となりました。高回転エンジンはトルクが細く、街乗りには不向きでしたが、一旦スピードに乗せると実にスムーズなドライブが楽しめる事も学びました。
兎にも角にもクルマのイロハを私はコンチェルトから学ばせて頂きました。ありがとう我が愛しのファーストカーよ。です。
2014年8月7日
ホヤスキー